1.クロモジ

まず一つ目はクロモジ。
クロモジは僕の好きな香りの木トップ5に入る木です。最近は、スーパーでクロモジののど飴が売られ始めて知名度も高まってきているようですね。その香りの高さから、高級爪楊枝としても利用されていたので、ご存知の方も多いかもしれません。さらに遡って江戸時代になると、ヤナギと共に歯ブラシに利用される種でもあったようです。ちなみに、名前の由来は木肌にできる黒い斑点が、文字のように見えるので黒文字とのこと。
さて、そんなクロモジの花が上の写真です。香りと似たように品のある可愛らしい花を付けますね。薄っすら緑がかった黄色い小さな花でした。香りは材の方が圧倒的でした。
2.イロハモミジ

続いてモミジの代表格、イロハモミジです。モミジと言えば紅葉を楽しむ種なので、秋のイメージばかり思い描いてしまいますが、しっかり花を咲かせます。赤い小さな花が群がって咲いている様子が上の写真です。葉っぱはまだ展葉しきっていないので、あまりモミジらしさがわかりませんね。
イロハモミジの由来は、葉っぱの切れ込みを「イロハニホヘト」と数えたことだそうです。けど、そんなこと言ったら全部のモミジがイロハモミジになってしまうような…。
それはさておき、「モミジ」の方の由来は何なのでしょうか。少し調べてみた所、草木が赤や黄色に変化していく様子を示す動詞「もみつ」の名詞形という説が多いようです。
イロハモミジの属するカエデ属の「楓」は「カエルの手」に似ているから「カエルノテ」が訛ったという説があるようです。個人的には楓の由来の方がすきですね。
3.ハウチワカエデ

カエデ属つながりということで、お次はハウチワカエデです。こちらも花は似たような感じですね。暗色系の赤といったところでしょうか。

ハウチワカエデはイロハモミジより一回り大きい葉っぱで、なおかつ切れ込みが多いのが特徴です。写真の背景にイロハモミジも写っているので、比較しやすいかと思います。
名前の由来にもなっているように、天狗の持っている羽団扇がこのハウチワカエデの形にそっくりです。因みに、天狗の団扇は天狗なら誰でも持てるわけではなくて、力を持っている強い天狗しか持つことが許されないそうです。材料は天狗の羽で出来ていて、奇数枚になっているとのこと。
そういえば、ウコギ科のヤツデの別名もテングノハウチワです。ヤツデの方がサイズ的にも”それっぽさ”があります。
4.モチノキ

モチノキは知らないという方も多いかもしれませんが、実は日本三大庭木の一つで特に関東以南では欠かせない木の一つです(因みに他の二つはモッコクとモクセイ)。樹皮からトリモチの原料が取れていたことが名前の由来です。
トリモチは漢字で鳥黐と書くので、モチノキを漢字で書くと「餅の木」ではなく「黐の木」になります。見慣れない漢字ですね。現在では狩猟にトリモチを使うことが禁止されているので、庭木が主流な用途になっています。モチモチの木との関連は不明ですが、イラストのサイズ的に恐らく別種です。
また、モチノキ科に多い特徴として、材が白く美しいことが挙げられます。ソヨゴもモチノキ科の一種ですが、木目が薄っすらとしていて澄んだ白をしています。皇族が儀式で使う笏はこのソヨゴで出来ています。
そんなモチノキですが、花は結構可愛らしいです。ただ、クチクラ層の発達した分厚い葉っぱの影に隠れているので、あまり目立ちません。5月ぐらいまではひっそり咲いているそうなので、是非探してやってください!
5.イスノキ

モチノキが出たので次はイスノキ。こちらも椅子の木かと思いきや、柞の木と書くらしく、この柞を九州の方言で「ユス」と呼んでいたのが訛ったという説があるそうです。面白いのは「ヒョンノキ」という別名をもっていることです。

このヒュンというのは何なのかというと、イスノキによくできる虫こぶを使った遊びが由来だそうです。イスノキは枝に写真のような虫こぶがよく出来ます。この構造物は、ダニがこの中で生活するために樹木の形を変えたことで出来るものです。大きくなると片手では持てないぐらいのものも出てきます。この虫こぶは、中が空洞になっているので、適当に穴を開けて息を吹き込むと笛のように音がなります。それが「ヒョン」と聞こえるそうです。

このイスノキは日本で最も硬い木の一つです。武田製材さん曰く、ウバメガシ、イスノキ、モクマオウが製材した中では一番堅かったとか。確かに、持ったときの重量感は他の樹種とは比べ物になりませんでした。その強度から、武術の木刀に利用されることもあります。
6.メギ

メギは目薬にしていたことから「目木」となったドストレートな由来です。ややこしいのは、メグスリノキという別の種類の木があること。メグスリノキはムクロジ科カエデ属でメギはメギ科メギ属です。メグスリノキも本当に目薬として利用されていた木なので、困りものです。この理論でいくと、パルプ材に利用されている広葉樹は全部カミノキになりますね。

ただし、メギにしかない特徴もちゃんとあります。メギは木材界屈指の黄色を誇る種です。武田製材さんお墨付きなので、間違いなく黄色い種と言えると思います。
また、メギは別名「コトリトマラズ」と言い、枝に棘が多いことでも知られています。結構尖ったやつなんですね。その割に、花は大人しく咲かせていました。
